自主公開プログラム

2015年12月第四週

第48回:復習して自分のものにして幸せな人生を送ろう。

  

一年間(1月から12月まで毎月)かけて、稲盛経営の原点12か条について勉強してまいりましたが、皆様、ある程度理解できましたでしょうか?
稲盛フィロソフィーを理解し自分のものとするには、人によっては、10年いや20年、あるいは生まれ変わらない限り完全に理解し完全に実践することはできないかもしれません。
稲盛哲学は、衝撃的な出来事、たとえば、自分自身があるいは会社ががけっぷちに立たされたり、倒産の憂き目に会ったりとか、人生最大の困難な状況に落ちった経験がなければ、自分の血肉となり自分のものにはならないかもしれません。
頭で学んで理解したとしても、フィロソフィーはなかなか身につかないと思いますが、私も、一生掛けても自分のものにはならないかもしれませんが、皆様と共に毎年繰り返し勉強を続けていきます。

なぜ従業員が経営者向けの経営の原点12か条の勉強をしなければならないのか?と思っている方もまだまだいるかもしれませんが、目的・目標達成には、社員全員一丸となることが大事であり、そのためには考え方を共有しなければならないからです。
経営陣は当然として皆様方全員が稲盛経営の原点12か条を理解し実践できるようになれば、我がグローバルテクノグループもできるだけ長く事業経営ができ、トップクラスの事業が展開できると信じています。

経営者意識を持った人材を育てる、経営者と同じレベルで会社経営を考えることができる人材を増やすことで「全員参加の経営」へと進むことが出き、会社も発展していきます。
皆の心をまとめるには、専門知識のほかに、部下から信頼され尊敬されなければなりません。
そのためには、経営者自身が心を高めると同時に従業員も心を高めることが必要なのです。
経営者として会社を引っ張っていく際に大事なことは、その人が経営に対してどういう見識を持っているかです。

私は、経営には哲学、即ちフィロソフィーが大事だということを稲盛経営哲学で学んでいます。というのも経営に対する素養がないと、従業員にただ働け、頑張れ、だめじゃないか」というばかりで、それでは従業員が、この経営陣と一緒に頑張って行こうという気にならないからです。
会社というものは無生物です。生命や意識はありません。経営陣の人格、考え方をそれに魂を注入して生物となります。魂を入れるのは経営者です。

論語には、人生で大切なものの中で人生をやめるとき、一つだけ持っていくことを許されるとすれば其れは何でしょうかと弟子から問われて、孔子は、其れは恕(仁、思いやり)というものだよと答えています。
キリスト教では、愛(慈悲の心)という表現を使っています。稲盛経営哲学は、仏教の教えが基本になっていますので、稲盛は、人生でもっとも大切なことは「利他の心」、即ち相手を思いやる優しい心といいます。
表現は違えども本質は同じようなものだと思います。稲盛は、人生でも、ビジネスでも、生存競争を勝ち抜いて成功しても、「謙虚にして驕らず」を貫き「利他の心」を持って相手に接することの大事さを教えています。

新年度も、引き続き、第一条「事業の目的、意義を明確にする」から繰り返して始めていきます。



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