自主公開プログラム

2015年8月第二週

第30回:善きことを思い善きことをすることで幸福な人生を送ろう

  

孔子は、諸国を歴訪して政治のあり方を説き続けた聖人君子であり、その教えは論語という書物になって2500年たった今でも人生の羅針盤として多くの知識人の必携の書として重宝されてきております。当時、延べ3,000人のお弟子さんが、孔子を師として学んでいたといわれています。それでは、私たちが生きている現代に目を向けてみましょう。私は、稲盛和夫は、現在、生きている聖人君子だと思っています。現在、およそ10,000に近い企業家が会員となり稲盛哲学を享受しています。経営者、学者、哲学者、思想家と多彩な面を持つ稲盛氏は、日本航空の再建で大衆にも広く知られるようになりました。それ以前に京セラを創業し、1兆円企業まで育て、KDDIも4兆円企業に育て上げた方です。個人基金で財団法人を設立し京都賞を立ち上げ運営しています。経営者仲間では「昭和の経営の神様」といわれる松下幸之助と同様に「平成の経営の神様」といわれるほど広く知られている仁徳備わった崇高な経営者です。稲盛財団が創設した京都賞は今では、第二のノーベル賞といわれほど権威のある賞となっています。
稲盛和夫は、政府独占事業の通信事業を打破し、民間主導で第二電電を創業し、合併により巨大通信業のKDDIとなり、売上高4兆円を超える大企業に育ち上げました。この一大事業を始めるに当たって、稲盛が、自分自身に「動機善なりや私心なかりしか」と問い続け、うそ偽りのない自分の心を何度も確かめて事業に着手したといわれます。
また、誰が見ても奇跡としか思えないJALの再建に関しては、稲盛は次のようなことを言っていますのでここに紹介します。

「稲盛経営哲学とアメーバ経営だけではなく、純粋で美しい心に対して、人知を超えた偉大な力が支援してくれたとおかげと思います」。「偉大な人物の行動の成功は、行動の手段によるよりも、その心の純粋さによります」。哲学者で詩人のジェームス・アレンの「原因と結果の法則」の美しい考え方を引用して「人生において、自分の私利私欲、欲望を抑えて、世のため人のためになることに全身全霊を傾けて努力し続けていくならば、その長い年月の間に、人間の心は浄化され、美しいものへと変わっていくはずです。難しい哲学を究めたり、宗教の勉強をしたり、苦しい修行を積まなくても、人のために善かれと願い、弛まぬ努力を続けるならば、人間の心は浄化されていくのではないでしょうか。そして心が浄化されればその人の人生は明るく輝かしいすばらしい人生が待っていると信じています」。古くは、孔子の教えに「道は人に遠からず」というのがあります。必ずしも、特別な修行や苦しい鍛錬をしなくても、普段の生活の中で心がけて実践していくことで正しい道は開くことが出きるということです。稲盛和夫は「人生、善きことを思い善きことを行えばまさに善きことが起るのです」を見事なまでに実証している経営者です。それゆえに、多くの経営者仲間から畏敬の念を持って「平成の経営の神様」といわれていると思います。



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