自主公開プログラム

2015年11月第三週

第43回:是正処置・予防処置で幸せな人生を送ろう。

  

個人の世界では、人生成功への管理プロセスは、2500年前の仏教の教えである「四諦(したい)」の考え方にあると私は思います。仏教はインドで生まれた宗教ですが、同時期に中国の孔子の教えをベースとした「論語」の中にも共通する考え方の基本となるものを垣間見ることが出来ます。
人間学に関しては、人類誕生後の人類の思考歴史の積み重ねであり、全く新しい理論の考え方というものは少ない様に私には思えます。
古典の教えを現代風にアレンジし応用していることが多いと思います。
「ふるきをたずねて新しきを知らば、もって師たるべし」から「温故知新」という言葉が生まれたように、まさに古典を通して古代を知るのはもちろん、古典を通して現代を知り、学ぶことが多いと思います。

是正処置、予防処置の考え方は2500年前から存在する?
私は、是正処置、予防処置の考え方は、お釈迦様の「四諦(したい)と「八正道」の考え方にさかのぼると思います。
私は、曲がりなりにも、品質管理・保証の専門家としてまた、人生で仏教の「四諦」の教えを学ぶ中で、特にそのように思うようになりました。
仏教では、人生には「苦」はつきものであり、すなわち、「苦」というものがあります。
これは、ISOマネジメントシステムでいう不適合に相当すると考えられます。それを取り除く方法を四諦で説明していますのでここにご紹介します。 不適合の原因は多くの場合、単純ではなく複雑であります。仏教では「縁起」と呼びますが、世の中の事象は、物事が互いに関係しあって、独立していないとしています。それには、必ず原因があり結果がある(因果応報)としています。
その原因を究明し取り除くことで解決が出来ます。不適合である人生の「苦」を取り除く四つの真理として「四諦」を説いたのが仏教の教えでもあります。
私達は、不適合とその除去方法についてISOを通して学んできましたが仏教の「四諦」とよく似ていると思います。

「四諦」(人生の是正処置):
苦諦(くたい):人生の本質は「苦」である。不適合の事象・実態
集諦(じったい、しゅうたい):人生が「苦」である原因は人間が持つ「煩悩」。原因究明。
滅諦(めったい):苦の原因の煩悩を全て取り除けば「苦」はなくなる。原因除去で再発防止。
道諦(どうたい):「八正道」を実践すれば「煩悩」を克服できる。予防処置に相当。
大衆のお経として人気のある「般若心経」は、実は、仏教の教えが凝縮されています。四諦の「苦,集、滅,道」に関しては、「無苦集滅道(むくしゅうめつどう)として、四諦が無になるという具合です。
仏教の教えの根本は、人生は、苦であり、あの世は天国と考えると、般若心経の呪文も深く理解できるような気がします。
なんとPDCAの考え方が、2500年前にはすでに確立されていたとは、驚きです。確かに科学技術、応用技術は古代と比較にならないほど進化していますが、古典の教えを学べば学ぶほど、現代の人間の考え方、精神文明が古代の人々より進化してきているとは到底思えないことばかりです。



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